2014年12月21日日曜日

第六回 クィア・リーディング連続公開研究会


第六回クィア・リーディング連続公開研究会


日時:2014年12月21日(日) 14:30~17:30
場所:中央大学 駿河台記念館 570号室
報告者:井芹真紀子
タイトル:「超えることのできない断絶」としての〈身体〉ーFélix González-Torresにおける「病」と「死」

概要:本報告では、自己の物理的生存を脅かすような「病む身体」の経験を、80年代エイズ・アートの系譜に位置づけられるFélix González-Torresの作品を手がかりに考える。80年代のエイズ危機は(身体)境界の侵犯や越境という、クィア理論がその成立当初からとってきたひとつの方向性の起点となる一方で、それは痛みや急激な衰弱を伴う「病」の経験であり、また「死」の共有(不)可能性がもたらす「超えることのできない断絶」として現れる〈身体〉の経験だったのではないだろうか。身体境界や感情/感覚、衰弱(infirmity)と時間性など、様々な観点から議論を行いたいと思っています。

コア・テクスト:
Félix González-Torres. 'Untitled' (Perfect Lovers), 1991. 
Félix González-Torres. 'Untitled' (March 5th) #2, 1991.
Félix González-Torres. 'Untitled' (Bloodworks), 1989.

参照文献:井芹真紀子、「フレキシブルな身体:クィア・ネガティヴィティと強制的な健常的身体性」、『論叢クィア』、クィア学会、第6号、pp37-57、2013
☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。コピーが必要な方は事前にお知らせください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。皆さまどうぞ奮ってご参加ください。

参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。



2014年10月27日月曜日

《同志》《酷児》の政治―中国におけるクィア/映画祭運動―

 《同志》《酷児》の政治―中国におけるクィア/映画祭運動―

1. 崔子恩氏講演(日本語通訳)+映画上映(英語字幕) 
日時:2014/10/29(水) 18:00-21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム1

18:00-19:30 講演:崔子恩『《同志》の語をめぐって』
19:40-20:40 ドキュメンタリー映画上映 『誌同志 (Queer China, ‘Comrade’ China)』(崔子恩監督、2008)
20:40-21:00 質疑応答


中国の映画研究者/映画監督であり、北京酷児映画展の立ち上げと運営にも携わっていらした崔子恩氏をお招きし、中国における〈同志〉運動についてのドキュメンタリー映画上映と講演会とを開催いたします。また、それに先立ち、崔先生をコメンテーターとしてお招きして、中国の酷児(クィア)政治と映画上映運動とのかかわりを中心とした研究会も行います。どちらも事前申込不要、参加費無料です。どうぞ御参加下さい。

崔子恩氏:北京電影学院電影研究所研究員。作家、映画監督にして映画研究者。アクティビストとしても知られ、北京酷児映画展の創設期よりその立ち上げと運営とに携わっている。2002年には国際ゲイ・レズビアン人権委員会(IGLHRC)よりFelipa Award授与。監督作品として『旧約(The Old Testament)』(2001)、『誌同志 (Queer China, ‘Comrade’ China)』(2008)など。


2. 公開研究会《北京酷児映画展とクィア・ポリティクス》(日本語通訳)
日時:2014/10/27(月)18:00-21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム2

18:00-19:40 報告:于寧(東京大学大学院総合文化研究科 D1)『北京酷児映画展とその政治的可能性―中国独立映画運動とセクシュアル・マイノリティ運動との関わりを中心に』
コメント 崔子恩
19:50-20:30 質疑応答

http://crystalqueer.net/《同志》《酷児》の政治―中国におけるクィア/



2014年10月25日土曜日

雑誌特集の紹介

 『ことばと社会』16号
特集:セクシュアリティ、権力、撹乱

〈序論〉
 Ⅰ.   なぜ、そしてどのようにセクシュアリティをことばの問題にするのか/定松 文 4
 Ⅱ.   性的少数派と言語現象をめぐって/ましこ・ひでのり 19



  •     ことばとセクシュアリティ――日本語研究への招待/中村 桃子 32
  •     「変身したいです」――テロップを通して画面に書き込まれる欲望とアイデンティティ/クレア・マリィ 57
  •     言語実践に着目したセクシュアリティ研究へ向けて――ゲイ男性が用いるタチ/ネコ、タチ/ウケという用語系に着目して /森山 至貴 86
  •     クィアとしての難民とことば/工藤 晴子 110
  •     セクシュアリティ、権力、撹乱 書誌/定松 文+ましこ・ひでのり 140
http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/365.htm


2014年10月7日火曜日

立教大学公開講座のお知らせ


2014年度異文化コミュニケーション学部連続講演会


「ことば・コミュニケーション・LGBT」
 

第3回「メディアとセクシュアルマイノリティ」
講演者: クレア・マリィ
日時: 2014年10月7日(火)18:30~20:00
詳細:
http://www.rikkyo.ac.jp/events/2014/10/14901/


2014年度異文化コミュニケーション学部連続講演会「ことば・コミュニケーション・LGBT」
第3回「メディアとセクシュアルマイノリティ」 |
 

立教大学
立教大学公式サイト。立教大学は学生の個性と自主性を尊重しながら、建学の精神と教育理念を実践しています。St.Paul'sの名の下に、学問はもとより、豊かな人間性を有し、社会の中核を担う優れた人材を輩出し続けています。

http://www.rikkyo.ac.jp/


2014年10月1日水曜日

クィア理論入門公開連続講座のお知らせ

【クィア理論入門公開連続講座のお知らせ】


毎年秋の公開講座、今年で5年目になります。

今年の講座は、フェミニズム哲学との関係にも注目しつつ、〈クィア〉という政治的・理論的な概念そのものに含まれている差異の主張と連帯への志向とのアンビヴァレントな関係、そしてそこからもれおちるものについて、考えて行きます。

皆様の御参加をお待ち申し上げます。

タイトル:「差異をめぐるクィアのアンビヴァレンス―言説の裏側に応答すること」
講師:羽生有希(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2014年11月05日〜2015年1月7日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4Fコラボレーションルーム1(第二回のみコラボレーションルーム3)
対象:10代後半以上

*******

11/05 イントロダクション:差異と越境、連帯と分離

11/19 クィア理論の歴史的条件:運動史と理論史?

12/03
規範の強制的反復と引用:ジェンダーのパフォーマティヴィティ

12/17
魅惑の本質主義?:認識と生存の枠組みを問うバトラー/イリガライ

1/07
「男たちの間」にあるもの:制度批判としてのクィア・リーディング

1/14
自由/寛容の名の下に:クィア理論と新自由主義との危険な関係

http://crystalqueer.net/category/qskomaba


クィア理論公開講座 (IQT@Komaba) – CrystalQueer
2014年クィア理論入門公開連続講座
クィアという言葉は聞いたことがある、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる議論に興味がある、もう少し詳しく知りたいけれども入り口が見つからない。
そういう方に向けたクィア理論入門公開連続講座、この秋で五年目を迎えます。
今年の講座は、〈クィア〉という政治的・理論的な概念そのものに含まれている、差異の主張と連帯への志向とのアンビヴァレントな関係を、テーマとしています。
皆様の御参加をお待ち申し上げます。
(クィア理論入門公開連続講座の概要と過去の公開講座のテーマとについては、こちらを御覧下さい。)
差異をめぐるクィアのアンビヴァレンス―言説の裏側に応答すること…


http://crystalqueer.net/category/qskomaba

2014年9月28日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第五回開催のお知らせ

「クィア・リーディング連続公開研究会」第五回開催のお知らせ


日時:2014年9月28日(日) 14:30~17:30

場所:中央大学 駿河台記念館 570号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/

報告者:近藤弘幸

タイトル:明治初期における『ロミオとジュリエット』の受容について
概要:異性間恋愛のアイコン的物語ともいえるシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が、明治初期の日本でいかに受容されたかを考えてみたいと思います。直接的にはあまりクィアなお話にはならないかと思いますが、皆さんとの対話をとおしてそのクィアな可能性を発見できればと思っています。

コア・テクスト:チャールズ・ラム「ロミオとジュリエット」
(ラム『シェイクスピア物語(下)』岩波文庫所収)

参考文献:近藤弘幸「「お家物」か「人情的小説」か、それが問題だ――
宇田川文海と『ロミオとジュリエット』」(中央大学人文科学研究所編『愛の技法――クィア・リーディングとは何か』中央大学出版部所収)

☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。

 皆さまどうぞ奮ってご参加ください。参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。

参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。

2014年9月27日土曜日

第2回クィア・スタディーズ論文中間発表ワークショップ開催のお知らせ

第2回クィア・スタディーズ論文中間発表ワークショップを以下の要項で実施します。

事前申込制ですので、参加を希望されるみなさまは以下の要項をお読みになったうえで、参加のご連絡をお願いします。


開催日時:

2014年9月27日(土)
同志社大学(烏丸キャンパス)志高館
(時間と場所等詳細は、お申込みいただいた際にお伝えします)

☆主旨☆

このワークショップは、本分野の将来を担う若手研究者の育成に寄与することを目指すプロジェクトの一環として、クィア・スタディーズにかかわる多分野の学生、院生、研究者間の意見交換の場を提供し、ディスカッションを通じて研究の促進と向上を図ることを目的にしています。

今回は、学位論文研究(学部4年生、博士前期課程最終年度生)、および執筆中の報告・出版予定研究(博士課程院生および研究者)に関する意見交換をおこないます。他の人々がどのようなアプローチでどういう研究をしているのかを知り、論文執筆にあたって直面している疑問点について互いに意見を交わしあったりフィードバックを得たりする機会として、ご利用下さい。


☆概要☆

学位論文研究の報告者には事前にディスカッションペーパーの提出をしていただき、ワークショップ当日は、報告者が口頭報告を行ったのち(学部生は15分、博士前期課程院生は30分ほど)、参加者全員で報告内容についての意見交換をおこないます。各報告にあてられる時間は、学部生は1時間、博士前期課程院生は1.5時間とします。

執筆中の報告・出版予定研究の報告者はディスカッションペーパーの提出は必要ありません。当日の議論を円滑に進めるために、パワーポイント資料、ハンドアウトなどは、当日各自ご用意下さい。当日は、報告者による口頭報告(30分)ののち、参加者全員による意見交換をおこないます。各報告にあてられる時間は1.5時間とします。

報告者は4名から5名を上限とします。

報告については、発表前の内容を含みますので、参加者は当日の報告内容を守秘して下さい(論文タイトルおよび概要については後に公開する可能性があります)。もちろん、報告者自身が非参加者に対して自分の報告内容を公開する場合は、この限りではありません。


☆資金☆

 各参加者から1,500円の参加費を徴収し、これをプール金として遠方からの報告者への多少の補助とします。(遠方からの報告者がいない場合は参加費不徴収)
交通費・レジュメ印刷代等は自己負担となります。


☆参加者☆

 このワークショップは事前申込制です。
 報告者の応募資格は、クィア・スタディーズに関心を持つ大学生、大学院生(博士号未取得者)および学位取得後(もしくはそれに準ずる)の若手研究者とします。ただし、事前申込をした学生、院生、研究者(オーバードクターを含む)に限り、報告者でなくても参加できます。
 
ファシリテーターはワークショップ・プロジェクト有志がつとめますが、申し込みのあった報告内容に応じた数人の研究者の方にも参加を依頼する可能性があります。


☆募集時期/応募先☆

 報告・参加希望者は、2014年8月30日(土)正午までにメールで申し込んで下さい。
 報告者は最大4〜-5名。これを超える場合はファシリテーターが報告者を選出します。
下記要領を、qsinsei(あっと)gmail.comまで添付して申し込みをおこなって下さい。報告せず参加のみ御希望の場合はその旨明記して下さい(この場合、c.以下の項目は不要です)。

a. 氏名
b. 所属、年度
c. 報告論文タイトル(仮題で可)
d.研究概要(学部生800字以内、それ以外は1500字以内)
e. 現時点での参考文献表

応募先: qsinsei(あっと)gmail.com
締切:2014年8月30日(土)正午
クィア・スタディーズ研究計画検討会プロジェクト有志
(科学研究費助成研究基盤B「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ)

http://qsinsei.blogspot.jp/2014/08/2.html


2014年9月20日土曜日

2014年度日米法学会総会

2014年度日米法学会総会プログラム


2014年総会は9月20日(土),21日(日)に
東京大学(本郷キャンパス)で開催いたします。

20日午後:判例研究会
21日:シンポジウム「法とセクシュアリティ:同性婚の次の課題」

日米法学会のイベントには,特段の限定のない限り,会員以外の方も参加いただけます。

http://www.kichi.j.u-tokyo.ac.jp/nichibei.html

同性婚関係の行事は、9月20日(土)の夕方と21日(日)の朝からとなっています。


プログラム詳細:
9月21日(日)10:00

シンポジウム『法とセクシュアリティ――同性婚の次の課題』

2013年6月,合衆国最高裁判所はUnited States v. Windsor, Hollingsworth v. Perryという2つの同性カップルの婚姻に関する判決を下した。前者は連邦婚姻防衛法Defense of Marriage Act (DOMA)第2条を違憲と判断し,後者は婚姻を異性カップルに限定するキャリフォーニア州の州憲法改正「プロポジション8」を違憲と判断した連邦裁判所の判決に関する上訴に関し,州が上訴しないと判断したとき,州民投票の推進団体には上訴人適格がないと判断することで,下級裁判所の違憲判決を是認した。


1996年のRomer v. Evans判決以降,合衆国最高裁判所は,「敵意」,「自由」といった言葉を用いて性的指向を消極的にではあるが,認知してきた。平等保護の法理からすると,性的指向に対する差別についての審査基準のレヴェルが関心の対象となる・だが,これまでの判例を読み解くと,焦点であるはずの「セクシュアリティ」,あるいは性的指向に関わる言葉とイメージが判決の中で次第に希薄化していることにも気がつく。「セクシュアリティ」が不可視化された中で,レズビアン,ゲイ,バイセクシュアル,トランスセクシュアルとトランスジェンダー,インターセックス,アセクシュアルの人々は,主流への同化と異化のバランスをとることになる。What's next?


2003年のLawrence v. Texas判決は,親密な関係の保護の範囲が拡張されたことを示唆し,今回の判決を踏まえると,州の保護がカップルを越えてどこまで及び得るのかも関心の対象となる。伝統的に州の領域とされた家族において,法的に保護される婚姻の射程の変化をもたらすのかも,関心事となり得る。What's next?

現在,いくつかの州で,同性婚を禁止する州憲法,州法についての訴えが連邦の裁判所に係属し,次々と違憲と判断されている。州憲法に「婚姻は1人の男性と1人の女性」という趣旨の憲法修正が提案され,支持された数年前とは異なる風がアメリカ社会において吹いているようにも見える。事態はまだ流動的である。What's next?

同性カップルの法的婚姻への障碍を除いた2つの判決は,尊厳と婚姻だけでなく,セクシュアリティと平等について,法の新しい局面が始まったことを示唆しているのではないだろうか。

http://www.kichi.j.u-tokyo.ac.jp/2014annual.html


2014年8月5日火曜日

著作紹介


『セクシュアリティの戦後史』(小山静子・赤枝香奈子・今田絵里香編)

京都大学学術出版会、2014.07、ISBN:978-4-87698-392-6 定価4,000円+税
グローバルCOEシリーズ<変容する親密圏/公共圏>


セクシュアリティ/クィア関連の研究者が数多く論文を寄せています。

第I部 純潔と異性愛

第1章 純潔教育の登場──男女共学と男女交際 (小山静子)
第2章 純潔教育委員会の起源とGHQ (斎藤 光)
第3章 異性愛文化としての少女雑誌文化の誕生 (今田絵里香)
第4章 雑誌『平凡』に描かれた純潔 (中山良子)
第5章 「感じさせられる女」と「感じさせる男」──セクシュアリティの二枚舌構造の成立 (田中亜以子)

第II部 同性愛という概念

第6章 戦後日本における「レズビアン」カテゴリーの定着 (赤枝香奈子)
第7章 パンパン、レズビアン、女の共同体──女性映画としての『女ばかりの夜』(1961) (菅野優香)
第8章 戦後日本における「ホモ人口」の成立と「ホモ」の脅威化 (石田 仁)
第9章 1970年代における男性同性愛者と異性婚──『薔薇族』の読者投稿から (前川直哉)

第III部 メディアにおける性愛の表象

第10章 Kissのある日常──『週刊マーガレット』におけるキスシーンの定着過程 (日高利泰)
第11章 1970〜1990年代の『セブンティーン』にみる女子中学生の性愛表象の受容 (桑原桃音)
第12章 楽しむものとしての“性”はいかにしてもたらされたか──1970〜1980年代の『少女コミック』の場合 (トジラカーン・マシマ)
第13章 マンガにおける農村の『性』とジェンダー──「むら」のファンタジー (一宮真佐子)
第14章 女性ジャンルに表れる‘恋愛’と韓国女性──テレビドラマを通じて (朴 珍姫)

http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=1981

2014年6月1日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第四回のお知らせ

「クィア・リーディング連続公開研究会」第四回のお知らせ


日時:2014年6月1日(日) 14:30~17:30

場所:中央大学 駿河台記念館 580号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:
http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/

報告者:伊藤寧美

タイトル: 'Shopping and Fucking'の4つのモノローグ

概要:1990年代イギリス演劇の大きな潮流であるIn-Yer-Face Theatreを代表する劇作家Mark Ravenhillの’Shopping and Fucking’から、本作の鍵となる「大きな物語」についてのモノローグを中心にいくつかの台詞やシーンを取り上げます。資本主義、暴力、セクシュアリティなどの観点から広く議論の場を共有できればと思います。

コア・テクスト:Mark Ravenhill, 'Shopping and Fucking'
☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください ☆

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。


 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。
 皆さまどうぞ奮ってご参加ください。参加は予約制ではありませんが、会場の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。

 参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。


2014年4月7日月曜日

公開シンポジウムの開催

公開シンポジウム
「同性婚・パートナー法の可能性-オランダの経験から学ぶ」の開催について


(開催趣旨)
 同性婚制度の導入が世界各地で相次いでいる。平成25年だけでも4か国が制度の導入を決定し、既存のパートナー法の取り扱いなど具体的な議論が始まっている。他方、日本では同性婚やパートナー法の法制化に向けた議論は進んでおらず、当事者らによる法制定の働き掛けも具体的な成果をあげられていない。このシンポジウムでは、2001年に世界で初めて同性婚制度を導入したオランダにおいて、法制化の中心的役割を果たしたボリス・ディトリッヒ氏を迎え、日本における同性婚・パートナー法の法制化の可能性を探る。

◆日 時:2014年4月7日(月)14時00分~17時00分
◆会 場:日本学術会5階会議室(地下鉄千代田線乃木坂駅前)

プログラム  

1 挨拶・全体説明 (14:00~14:10)
 戒能 民江(日本学術会議第一部会員、お茶の水女子大学名誉教授)
2 基調講演 (14:10~15:00)
 ボリス・ディトリッヒ (ヒューマンライツウォッチ・LGBT ディレクター、元オランダ国会議員)
3 報告者 (15:00~15:35)
 谷口 洋幸(日本学術会議特任連携会員、高岡法科大学法学部准教授)

休 憩(15:35~15:50)
 
4 コメント(15:50~16:20)
 紙谷 雅子(日本学術会議連携会員、学習院大学大学院法務研究科教授)
 廣瀬 真理子(日本学術会議連携会員、東海大学教養学部教授)
 大江 千束(特別配偶者法(パートナー法)全国ネットワーク共同代表)

5 総合討論(16:20~17:00) 
 司会:谷口 洋幸(日本学術会議特任連携会員、高岡法科大学法学部准教授)
    紙谷 雅子(日本学術会議連携会員、学習院大学大学院法務研究科教授)
        廣瀬 真理子(日本学術会議連携会員、東海大学教養学部教授)
    大江 千束(特別配偶者法(パートナー法)全国ネットワーク共同代表)

※予約不要。一般公開。参加費は無料。通訳あり。

【お問い合わせ先】
 戒能 民江(日本学術会議第一部会員、お茶の水女子大学名誉教授)
  E-mail:kaino.tamie☆ocha.ac.jp
日本学術会議事務局第一部担当 嶋津(TEL:03-3403-5706)
 
 

2014年3月14日金曜日

第2回クィア・スタディーズ研究計画検討会開催のお知らせ

第2回クィア・スタディーズ研究計画検討会開催のお知らせ


日程:2013年3月14日(金) 一日だけの開催とする
 場所: 東京大学(東京駒場キャンパス)18号館4Fコラボレーションルーム2

☆事前申込制

 詳細はこちらをごらんください。
http://qsinsei.blogspot.jp/2013/12/2.html

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〔主旨〕
このワークショップは、クィア・スタディーズにかかわる学生、院生、研究者間の意見交換の場を提供し、もって本分野の将来を担う若手研究者の育成に寄与することを目指すプロジェクトの一環として開催されるものです。


 〔主催〕
クィア・スタディーズ論文中間発表ワークショップ・プロジェクト有志
 (科学研究費助成研究基盤B「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ)

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2014年3月8日土曜日

ICUジェンダー研究センター(CGS) 公開研究報告会

 『かく乱するイメージ、その光と影―フェミニズム、クィア理論、視覚芸術批評の「視線」から』


日時:2014年3月8日(土)
 13:30~16:30
(開場13:00予定。途中休憩含む)

 
場所:国際基督教大学 「東ヶ崎潔記念ダイアログハウス」 2F 国際会議
※JR中央線「武蔵境」駅南口より、小田急バス「(境93)国際基督教大学」行き終点下車(上記バス路線は全てノンステップバスにて運行されています。)
キャンパスマップ:http://www.icu.ac.jp/info/facilities.html
※ユニバーサルトイレ(おむつ交換台有)は同建物1F・正面入口から入り左手奥にあります。

 言語:日本語

 同時通訳:無

 参加費:無料(予約不要)

 報告者:
 大野 玲 (立正大学講師、日本美術史)
「《桜狩遊楽図屏風》~かぶき女が出会うとき~:描かれた<性>と<視線>」


 井芹 真紀子 (サセックス大学大学院博士後期課程/東京大学大学院博士後期課程、フェミニズム・クィア理論)
「〈カワイイ〉をクィアする:きゃりーぱみゅぱみゅとフレキシブルな身体」


コメンテーター:北原 恵 (大阪大学大学院 文学研究科)

総合司会:清水 晶子 (東京大学大学院 総合文化研究科)

コーディネーター:佐々木 裕子 (国際基督教大学ジェンダー研究センター 助手、東京大学大学院 総合文化研究科 修士課程)

主催:国際基督教大学ジェンダー研究センター(CGS)
東京都三鷹市大沢3-10-2 ERB301/0422-33-3448


 異性装、クロスドレッシング、ドラァグなど、性の境界の横断を行い、それを強調し、あるいは嘲笑するイメージは、規範的な性の制度への抵抗として、 かく乱を巻き起こすものとして、重要な戦略であり続けてきました。
しかしながらいまや同時に、「その抵抗の戦略が同時にどのような排除や搾取の枠組と(再び)共謀してしまうか」という問いを発し、考察を深めていくことは、急務であると言えます。
 慣習的な性の規範から逸脱し、それゆえに黙殺されてきたイメージを再-発見し「光」を当てること―
同時に、非規範性の称揚の「影」で引き起こされる危機に対して、批判的な視線を投げかけること―
本報告会では、人文系の視覚芸術研究と、ジェンダー・セクシュアリティ研究、そして、フェミニズム、クィア理論の見地から、この問題について報告・検討を行います。
ご興味、ご関心のある皆様、どうぞご来場をお待ちしております。




2014年2月9日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第三回開催のお知らせ

「クィア・リーディング連続公開研究会」第二回開催のお知らせ

日時: 2014年2月9日(日) 14:15~17:45
場所: 中央大学 駿河台記念館 580号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:
http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/

☆今回は、「人種化される欲望/人種化する欲望」を共通テーマとしてお二人から報告をいただき、その後参加者による議論の時間に移ります。

報告者① 黒岩裕市
タイトル: 「同性愛の種族化」について
概要: 本報告は、ミシェル・フーコーが指摘した「同性愛の種族化」について考えるものである。日本では1910~20年代に西洋の精神医学の影響を受けた通俗的なセクソロジーが流行し、同性愛を種族化する見解が浸透したのだが、本報告では、1930年前後に出された大衆的なテクストの男性間の性的な関係を具体的に読む。江戸川乱歩の小説『一寸法師』(1927年)や雑誌『犯罪科学』に掲載された記事を取り上げる予定である。
参照テクスト:江戸川乱歩『一寸法師』(『江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚』光文社文庫、2004年)


報告者② 菅野優香
タイトル:「風景」に抗して―沖縄をめぐる映画的想像力批判
概要:本報告では、沖縄をめぐる映画表象の系譜を辿りながら、おそらくは「すでに」人種化されている欲望について、『BLUES HARP』(三池崇史監督、1998年)という映画テクストを手がかり に考える。このテクストが召喚する、人種化されたホモセクシュアルな欲望は、なぜ「混血」と「沖縄」を必要としたのか?風景としての「沖縄」を批判的に再考しながら、この問題にアプローチしてみたい。
参照作品:『BLUES HARP』(三池崇史監督、1998年)


主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)


☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。


 皆さまどうぞ奮ってご参加ください。
参加は予約制ではありませんが、会場の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。
 queer.reading●gmail.com
(●部分を変換してください) 


2014年1月5日日曜日

著作紹介

クレア・マリィさんの「おネエことば」論が青土社より出版されました。

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「おネエことば」論
 

クレア・マリィ 著 
201212刊/四六判/210頁
C0095 定価2100 円(本体2000 円)
ISBN978-4-7917-6656-4

言語学、ジェンダー論の専門学者が迫ったはじめての本格的な「おネエことば」研究。 いまやあたりまえのように毎日メディアで耳にし、目にするようになった「おネエことば」。そもそも「おネエことば」はいったいどこからやってきたのか?そして、その正体とは何なのか? そこから見えてくるものは、私たちの予想をはるかに超える、ことばとアイデンティティとの密接な関係だった。「おネエことば」研究、待望の刊行。


http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791767564