「クィア・リーディング連続公開研究会」第12回開催のお知らせ
日時:2017年2月19日(日)14:30-17:30
場所:中央大学 駿河台記念館 580号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/)
報告者:石川千暁
「一緒に女の子」であることの親密—ネラ・ラーセン『パッシング』からトニ・モリスン『スーラ』へ
概要:「私たちは一緒に女の子だった (We was girls together)」。初のアフリカ系アメリカ人ノーベル賞作家トニ・モリスンToni Morrisonの『スーラ』Sula (1973年)の結末において、今は亡き親友スーラを想って幼馴染ネルNelはそう呟く。二人の親密性をめぐっては、レズビアン的であるとも、逆に同性愛とは異なるとも評されてきたが、そうした相反する見解は、『スーラ』に書き込まれている流動的な—クィアな—性の表現を期せずして言い当てているだろう。
同じくアフリカ系でハーレム・ルネサンス期の作家であるネラ・ラーセンNella Larsenの『パッシング』Passing (1929年)もまた、女同士の親密な関係を描いている。スーラを弔うネルの呟きに、ネラが描き得なかった類のセンティメントが込められていると考えることはできないだろうか。本発表は、女同士のエロティックな欲望の抑圧を描いたラーセンのテクストのクィアな書き換えとして『スーラ』を読む試みである。
参照テクスト:Larsen, Nella. Passing. 1929. New York: Penguin, 2003.(上野達郎訳『白い黒人』春風社、2006年)
Morrison, Toni. Sula. 1973. New York: Vintage, 2004.(大社淑子訳『スーラ』早川文庫、2009年)
☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。コピーが必要な方は事前にお知らせください。
主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、
2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)
参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、
参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.