日時: 2014年2月9日(日) 14:15~17:45
場所: 中央大学 駿河台記念館 580号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら: http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/)
☆今回は、「人種化される欲望/人種化する欲望」を共通テーマとしてお二人から報告をいただき、その後参加者による議論の時間に移ります。
報告者① 黒岩裕市
タイトル: 「同性愛の種族化」について
概要: 本報告は、ミシェル・フーコーが指摘した「同性愛の種族化」について考えるものである。日本では1910~20年代に西洋の精神医学の影響を受けた通俗的なセクソロジーが流行し、同性愛を種族化する見解が浸透したのだが、本報告では、1930年前後に出された大衆的なテクストの男性間の性的な関係を具体的に読む。江戸川乱歩の小説『一寸法師』(1927年)や雑誌『犯罪科学』に掲載された記事を取り上げる予定である。
参照テクスト:江戸川乱歩『一寸法師』(『江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚』光文社文庫、2004年)
報告者② 菅野優香
タイトル:「風景」に抗して―沖縄をめぐる映画的想像力批判
概要:本報告では、沖縄をめぐる映画表象の系譜を辿りながら、おそらくは「すでに」人種化されている欲望について、『BLUES HARP』(三池崇史監督、1998年)という映画テクストを手がかり に考える。このテクストが召喚する、人種化されたホモセクシュアルな欲望は、なぜ「混血」と「沖縄」を必要としたのか?風景としての「沖縄」を批判的に再考しながら、この問題にアプローチしてみたい。
参照作品:『BLUES HARP』(三池崇史監督、1998年)
主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)
☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。
皆さまどうぞ奮ってご参加ください。
(●部分を変換してください)