2014年9月28日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第五回開催のお知らせ

「クィア・リーディング連続公開研究会」第五回開催のお知らせ


日時:2014年9月28日(日) 14:30~17:30

場所:中央大学 駿河台記念館 570号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/

報告者:近藤弘幸

タイトル:明治初期における『ロミオとジュリエット』の受容について
概要:異性間恋愛のアイコン的物語ともいえるシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が、明治初期の日本でいかに受容されたかを考えてみたいと思います。直接的にはあまりクィアなお話にはならないかと思いますが、皆さんとの対話をとおしてそのクィアな可能性を発見できればと思っています。

コア・テクスト:チャールズ・ラム「ロミオとジュリエット」
(ラム『シェイクスピア物語(下)』岩波文庫所収)

参考文献:近藤弘幸「「お家物」か「人情的小説」か、それが問題だ――
宇田川文海と『ロミオとジュリエット』」(中央大学人文科学研究所編『愛の技法――クィア・リーディングとは何か』中央大学出版部所収)

☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。

 皆さまどうぞ奮ってご参加ください。参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。

参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。

2014年9月27日土曜日

第2回クィア・スタディーズ論文中間発表ワークショップ開催のお知らせ

第2回クィア・スタディーズ論文中間発表ワークショップを以下の要項で実施します。

事前申込制ですので、参加を希望されるみなさまは以下の要項をお読みになったうえで、参加のご連絡をお願いします。


開催日時:

2014年9月27日(土)
同志社大学(烏丸キャンパス)志高館
(時間と場所等詳細は、お申込みいただいた際にお伝えします)

☆主旨☆

このワークショップは、本分野の将来を担う若手研究者の育成に寄与することを目指すプロジェクトの一環として、クィア・スタディーズにかかわる多分野の学生、院生、研究者間の意見交換の場を提供し、ディスカッションを通じて研究の促進と向上を図ることを目的にしています。

今回は、学位論文研究(学部4年生、博士前期課程最終年度生)、および執筆中の報告・出版予定研究(博士課程院生および研究者)に関する意見交換をおこないます。他の人々がどのようなアプローチでどういう研究をしているのかを知り、論文執筆にあたって直面している疑問点について互いに意見を交わしあったりフィードバックを得たりする機会として、ご利用下さい。


☆概要☆

学位論文研究の報告者には事前にディスカッションペーパーの提出をしていただき、ワークショップ当日は、報告者が口頭報告を行ったのち(学部生は15分、博士前期課程院生は30分ほど)、参加者全員で報告内容についての意見交換をおこないます。各報告にあてられる時間は、学部生は1時間、博士前期課程院生は1.5時間とします。

執筆中の報告・出版予定研究の報告者はディスカッションペーパーの提出は必要ありません。当日の議論を円滑に進めるために、パワーポイント資料、ハンドアウトなどは、当日各自ご用意下さい。当日は、報告者による口頭報告(30分)ののち、参加者全員による意見交換をおこないます。各報告にあてられる時間は1.5時間とします。

報告者は4名から5名を上限とします。

報告については、発表前の内容を含みますので、参加者は当日の報告内容を守秘して下さい(論文タイトルおよび概要については後に公開する可能性があります)。もちろん、報告者自身が非参加者に対して自分の報告内容を公開する場合は、この限りではありません。


☆資金☆

 各参加者から1,500円の参加費を徴収し、これをプール金として遠方からの報告者への多少の補助とします。(遠方からの報告者がいない場合は参加費不徴収)
交通費・レジュメ印刷代等は自己負担となります。


☆参加者☆

 このワークショップは事前申込制です。
 報告者の応募資格は、クィア・スタディーズに関心を持つ大学生、大学院生(博士号未取得者)および学位取得後(もしくはそれに準ずる)の若手研究者とします。ただし、事前申込をした学生、院生、研究者(オーバードクターを含む)に限り、報告者でなくても参加できます。
 
ファシリテーターはワークショップ・プロジェクト有志がつとめますが、申し込みのあった報告内容に応じた数人の研究者の方にも参加を依頼する可能性があります。


☆募集時期/応募先☆

 報告・参加希望者は、2014年8月30日(土)正午までにメールで申し込んで下さい。
 報告者は最大4〜-5名。これを超える場合はファシリテーターが報告者を選出します。
下記要領を、qsinsei(あっと)gmail.comまで添付して申し込みをおこなって下さい。報告せず参加のみ御希望の場合はその旨明記して下さい(この場合、c.以下の項目は不要です)。

a. 氏名
b. 所属、年度
c. 報告論文タイトル(仮題で可)
d.研究概要(学部生800字以内、それ以外は1500字以内)
e. 現時点での参考文献表

応募先: qsinsei(あっと)gmail.com
締切:2014年8月30日(土)正午
クィア・スタディーズ研究計画検討会プロジェクト有志
(科学研究費助成研究基盤B「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ)

http://qsinsei.blogspot.jp/2014/08/2.html


2014年9月20日土曜日

2014年度日米法学会総会

2014年度日米法学会総会プログラム


2014年総会は9月20日(土),21日(日)に
東京大学(本郷キャンパス)で開催いたします。

20日午後:判例研究会
21日:シンポジウム「法とセクシュアリティ:同性婚の次の課題」

日米法学会のイベントには,特段の限定のない限り,会員以外の方も参加いただけます。

http://www.kichi.j.u-tokyo.ac.jp/nichibei.html

同性婚関係の行事は、9月20日(土)の夕方と21日(日)の朝からとなっています。


プログラム詳細:
9月21日(日)10:00

シンポジウム『法とセクシュアリティ――同性婚の次の課題』

2013年6月,合衆国最高裁判所はUnited States v. Windsor, Hollingsworth v. Perryという2つの同性カップルの婚姻に関する判決を下した。前者は連邦婚姻防衛法Defense of Marriage Act (DOMA)第2条を違憲と判断し,後者は婚姻を異性カップルに限定するキャリフォーニア州の州憲法改正「プロポジション8」を違憲と判断した連邦裁判所の判決に関する上訴に関し,州が上訴しないと判断したとき,州民投票の推進団体には上訴人適格がないと判断することで,下級裁判所の違憲判決を是認した。


1996年のRomer v. Evans判決以降,合衆国最高裁判所は,「敵意」,「自由」といった言葉を用いて性的指向を消極的にではあるが,認知してきた。平等保護の法理からすると,性的指向に対する差別についての審査基準のレヴェルが関心の対象となる・だが,これまでの判例を読み解くと,焦点であるはずの「セクシュアリティ」,あるいは性的指向に関わる言葉とイメージが判決の中で次第に希薄化していることにも気がつく。「セクシュアリティ」が不可視化された中で,レズビアン,ゲイ,バイセクシュアル,トランスセクシュアルとトランスジェンダー,インターセックス,アセクシュアルの人々は,主流への同化と異化のバランスをとることになる。What's next?


2003年のLawrence v. Texas判決は,親密な関係の保護の範囲が拡張されたことを示唆し,今回の判決を踏まえると,州の保護がカップルを越えてどこまで及び得るのかも関心の対象となる。伝統的に州の領域とされた家族において,法的に保護される婚姻の射程の変化をもたらすのかも,関心事となり得る。What's next?

現在,いくつかの州で,同性婚を禁止する州憲法,州法についての訴えが連邦の裁判所に係属し,次々と違憲と判断されている。州憲法に「婚姻は1人の男性と1人の女性」という趣旨の憲法修正が提案され,支持された数年前とは異なる風がアメリカ社会において吹いているようにも見える。事態はまだ流動的である。What's next?

同性カップルの法的婚姻への障碍を除いた2つの判決は,尊厳と婚姻だけでなく,セクシュアリティと平等について,法の新しい局面が始まったことを示唆しているのではないだろうか。

http://www.kichi.j.u-tokyo.ac.jp/2014annual.html