2016年7月4日月曜日

報告書紹介:「性的マイノリティについての意識―2015年全国調査報告書」

2015年11月に行われた報告会「性的マイノリティについての全国調査:意識と政策」
http://qsaportal.blogspot.jp/2015/10/blog-post.html
上記報告会に関連して、PDFによる報告書がリリースされています。

『性的マイノリティについての意識―2015年全国調査報告書』

(釜野さおり・石田仁・風間孝・吉仲崇・河口和也 2016『性的マイノリティについての意識―2015年全国調査報告書』科学研究費助成事業「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ(研究代表者 広島修道大学 河口和也)編)

<目次>
序章
第1章 結果の要約と留意点
第2章 調査の概要
第3章 知識と認識
第4章 メディア
第5章 存在の認識
第6章 行為・感情に対する嫌悪感と抵抗感
第7章 身近な人に対する嫌悪感
第8章 友人に対する抵抗感
第9章 友人からのカミングアウト
第10章 同性婚
第11章 教育

コラム その1:戸籍上の性別と性自認に関する結果
コラム その2:性的指向に関する結果
コラム その3:社会調査によって性自認・性的指向を捉えることの困難と課題
コラム その4:レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー「人口」
調査票
付 表

http://alpha.shudo-u.ac.jp/~kawaguch/


2016年7月3日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第11回開催のお知らせ


日時:2016年7月3日(日)14:30~17:30
場所:中央大学 駿河台記念館 580号室(駿河台記念館へのアクセスはこちら:http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/
報告者:ピーター・ソーントン
タイトル:On Bonnie Honig’s Reading of Antigone


概 要:Antigone has stood for many things since Hegel’s reading of Sophocles’ classic play in The Phenomenology of Spirit. For champions of universal human rights, Antigone’s ethical defiance of Creon’s political law represents a heroic devotion to basic familial rights in the face of arbitrary state power. In contrast, for anti-humanists Antigone is a paragon of pure, pre-symbolic desire that flouts the possibility of humanist political engagement: Jacques Lacan famously admired her monstrous desire for death that defies all meaning and signification, and Slavoj Žižek has focused on her total and absolute “no” that transcends Creon’s political laws. Not completely dissimilarly, Nicole Loraux saw in Antigone’s death cry an extra-linguistic expression of pain that put her, again, beyond politics. And for Judith Butler, Antigone’s laments—even as they point to the “limits of representation and representability”—mark the eruption of “unspeakable loss” into public life and serve as a “mortal humanist” pre-political basis for politics. Against such anti-political readings of Sophocles’ play, in “Antigone’s Two Laws” Bonnie Honig recognizes the overtly agonistic, political position occupied by the tragic hero. For Honig, Antigone—the protagonist (“primary actor”) of Sophocles’ play—speaks and acts agonistically against Creon’s state authority. In this talk, I will review Honig’s reading of Antigone and discuss how it may have wider implications for recent revivals of humanism witnessed in various fields. In particular, I will discuss its relevance for the field of the ethics of care—developed by feminist thinkers such as Joan Tronto, Eva Feder Kittay, Virginia Held, Elizabeth V. Spelman, and more recently Fabienne Brugère—which has much in common with Butler’s ethics of mourning in its critiques of Kantian liberalism and Lockean social contract theory.

コア・テクスト:Bonnie Honig (2010) "Antigone's Two Laws: Greek Tragedy and the Politics of Humanism”
☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。コピーが必要な方は事前にお知らせください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。

参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。

参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。

2016年6月5日日曜日

「"LGBT" データの読み方、活かし方」イベント

"LGBT" データの読み方、活かし方


日時:201665日(日)15:00-17:00
 

場所:同志社大学 烏丸キャンパス 志高館 SK101
同志社大学へのアクセスはこちら:http://www.doshisha.ac.jp/information/campus/imadegawa/imadegawa.html
 

参加費:無料、資料代:1,000円
終了後に会場近くで懇親会も実施予定です。
※事前の申し込みが必要です。申し込みは下記まで。
http://peatix.com/event/163072



概要:2015年に実施された国の科学研究費助成事業(科研費)によるLGBTなどの性的マイノリティに特化した日本初の意識調査について、関西地区ではじめての報告会を実施します。

研究グループのメンバー(河口和也、風間孝、釜野さおり)がデータを解説し、その読み解き方、社会での活かし方を、LGBTと職場の問題に関する活動を行うNPO法人・虹色ダイバーシティ代表の村木真紀と語り合います。

対象:研究者、LGBTに関する市民活動団体メンバー、企業・行政・メディア関係者など

 
主催:特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ
共催:科学研究費「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ、同志社大学FGSS(フェミニスト・ジェンダー・セクシュアリティ研究センター)

参加希望のご連絡は下記まで。
http://peatix.com/event/163072

2016年3月6日日曜日

第二回オルタナティブ・ジェンダーヒストリー・プロジェクト

第二回オルタナティブ・ジェンダーヒストリー・プロジェクト開催のお知ら


日時:2015年36日(日)15:00-18:00
場所:同志社大学烏丸キャンパス志高館SK 118
志高館へのアクセスはこちら:https://www.doshisha.ac.jp/information/campus/imadegawa/karasuma.html?shikokan_building#campusmap
 

講演者黒澤亜里子さん(沖縄国際大学)
タイトル:「吉屋信子と少女たちの地下同盟 〈黒薔薇〉というメディア戦略」

コメンテーター木村朗子さん(津田塾大学)
        沢部ひとみさん(パフスクール) 


少女小説の祖といわれる吉屋信子が、当時の社会や文壇と対峙し、女性への思慕や女性同士の恋愛を前面に出して、思い切った実験をした雑誌が『黒薔薇』でした。日本近代文学という領域で、吉屋信子、田村俊子、湯浅芳子などの仕事を通じ、女性同士の愛や絆について先駆的なお仕事をされてきた黒澤さんのご講演、とても楽しみです。

参加希望のご連絡およびお問い合わせはAGHproject事務局<aghproject2015gmail.com>まで。

 

2016年2月7日日曜日

「クィア・リーディング連続公開研究会」第10回開催のお知らせ

「クィア・リーディング連続公開研究会」第10回開催のお知ら


日時:2015年2月7日(日)13:30-17:30
(通常より開始時間が早いのでご注意ください)
 

場所:中央大学 駿河台記念館 580号室
(駿河台記念館へのアクセスはこちら:http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/
 

第一報告者:岸まどか
タイトル:ジャック・ロンドン『野生の呼び声』における「不自然な婚礼」のエクスタシー


概要:「進歩主義時代(the Progressive Era)」とよばれた米国の世紀転換期は、第二十六代大統領セオドア・ルーズベルトの牽引のもと、生と性の徹底管理を旨とするフーコー的な生政治が、戯画的な形で具現化された時代でもあった。進歩主義時代に自らを「狼(Wolf)」と称した作家、ジャック・ロンドンの『野生の呼び声(The Call of the Wild)』の読解を中心に、本発表は種間愛、特にロンドンが「他の動物達の親族関係」と呼んだ種族を超えた親密性が、進歩主義時代が描く進化と強制的異性愛のナラティブを撹乱しようとする様子を考察する。ロンドンの狼への同一化の欲望をジル・ドゥルーズとフェッリクス・ガタリが「不自然な婚礼(unnatural nuptials)」と名指した関係性の文脈から捉え直すことは、作家が進歩主義時代の政治によって「人間」として産出された自己の放棄のなかに見た生政治からの逃走の可能性を、ほのかに照射するかもしれない。
 

参照テクスト:Jack London, The Call of the Wild


第二報告者:大田美和
タイトル:文学は性暴力の被害者を救えるか?


概要: William Morris のThe Wood beyond the World (1894)はヒーローが魔術を使う二人の女(「女王」と「侍女」)によって未知の世界に誘い出され、試練の末に恋愛を成就し、王権を獲得するロマンスである、とされる。本発表では「侍女」をたびたび襲う言語化されない不安と恐怖に注目して、このロマンスをフェミニズムとクィアな視点から精読してみたい。北欧神話の骨太で健康的な物語という骨格の中に、性暴力の記憶と再生というトピックを、リアリズム小説とは異なる形でいかに忍び込ませたかを解き明かす作業は、暴力的な支配に対する異議申し立てを性の歓びを否定することなく行うという困難に挑戦したブレイク、シェリー、ハーディの系譜の中で、モリスがいかに詩、近代リアリズム小説、ロマンスという異なるジャンルを架橋したかを考える作業にもなるだろう。
 

参照テクスト:William Morris, The Wood beyond the World (1894)(邦訳名『世界のかなたの森』晶文社)


☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。コピーが必要な方は事前にお知らせください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。
 2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。

参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。

参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading☆gmail.com>まで。


2016年1月24日日曜日

【公開シンポジウム・マイノリティとクィア・スペース】

【公開シンポジウム・マイノリティとクィア・スペース】

性的少数者による都市空間、公的空間の利用の歴史を背景として、とりわけ東京での性的少数者をめぐる政治の動きと関連させつつ、マイノリティによる「空間」の創出と利用の政治と、その現在とを考えます。
みなさまのご参加をお待ち申し上げます。


  • 日時:2016年1月24日(日) 14:00-17:30
  • 場所:東京大学駒場キャンパス18号館 4F コラボレーションルーム1
  • 登壇者:
    ジョナサン・マーク・ホール(米国Pomona College, Assistant Professor)
    いちむらみさこ(アーティスト)
    菅野優香(同志社大学准教授)
  • 司会:清水晶子
主催:東京大学大学院博士課程リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」教育プロジェクト5「多文化共生と想像力」
(http://crystalqueer.net/?p=1035