2015年10月3日土曜日

家族問題研究学会第3回例会の案内

2015年度第3回の例会は、「セクシュアル・マイノリティと家族」をテーマに研究を進めておられるお二人の若手会員にご報告をお願いしました。
日本の社会学におけるセクシュアリティ研究の最前線に触れることができる貴重な機会になると思われますので、ぜひお誘いあわせのうえご参加ください。

日時: 2015年10月3日(土) 14:00 ~ 16:00
会場 : 明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1084教室
参加費:会員は無料、一般非会員は500円、学生非会員は100円)
司会 : 松木洋人(大阪市立大学)

報告者1: 神谷悠介(関東学院大学非常勤講師)
報告題目: 「ワークライフバランスの視座と射程――多様なカップル関係の視点を取り入れた考察」

要旨 :   従来のワークライフバランス研究の視座としてジェンダー平等、労働環境改善、経営戦略、少子化対策が挙げられるが、いずれも主に近代家族の夫婦が主体として想定される。しかし、ワークライフバランスは近代家族以外の関係性を形成する人々にとっても課題となっている。そこで本報告ではレズビアンカップル、ゲイカップル、非法律婚カップル、法律婚カップルなど多様な関係性に着目する。その上でワークライフバランス研究の射程をこれらのカップルに拡張することによって、①ワークライフバランス理解に新たな視点を投げかける、②これまでパートナー関係に関して意識されてこなかった不可視の問題を浮き彫りにする、という意義を明らかにする。

報告者2: 三部倫子(首都大学東京・日本学術振興会特別研究員)
報告題目 : 「「産みの親」と「育ての親」の女性カップル――提供精子で産まれた子どもの子育てを事例に

要旨 :   日本においても、セクシュアリティを自覚した上で子どもを育てるLGBTが徐々に登場してきている。従来、かれらはセクシュアリティに無自覚なままで、もしくはそれを抑圧して異性と婚姻することでしか子どもを産み育てられないと考えられていた。しかし、グローバル化と生殖補助技術の進展が、状況に大きな変化をもたらしている。先行研究は子どもに関わる複数の大人の存在を指摘するが、社会的に置かれる立場によってその経験は大きく異なるだろう。本報告では、日本において精子提供によって子どもを産んだ「産みの親」である女性と、その女性パートナーの「育ての親」で構成される女性カップルを取り上げ、出産がもたらす子育てにおける非対称性を考察したい。

【例会会場ご案内】
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html

【最寄駅からのアクセス】
■JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩3分
■東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩5分
■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩5分